【価格はいくら?】光岡M55のベース車から見る、“日本流マッスルカー”の真価

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夜の峠を流していた20代の僕が、いまの僕に出会ったら、こう言うかもしれない。
「おい、こんなクルマが日本から出る時代になったのかよ」と。

その名は、光岡M55
まるで1970年代のアメリカンマッスルがタイムスリップしてきたかのようなフォルム。
でも、その正体はホンダ・シビックをベースにした、日本が生んだ“和製マッスルカー”。

価格は756万8000円?842万7100円。──どうだろう。驚いた?
でも、ただ「高い」と言い切るには、このクルマはあまりに“語れる余白”が多すぎる。

光岡がなぜシビックを選び、なぜこの価格になったのか。
今回はその“答え合わせ”ではなく、“問いかけの旅”に出ようと思う。

人生の岐路に立ったとき、人は何を基準に進む道を選ぶのか。
──そのヒントが、ステアリングの向こうに隠れているかもしれない。

光岡M55とは何か──スペックと思想の交差点

数字を超える存在、それが“M55”

カタログに並ぶスペック──馬力、トルク、燃費、安全装備。
それらは確かに大切だ。でも、本当に心を震わせる一台に出会ったとき、僕たちは数字ではなく“鼓動”を覚える。

光岡M55は、そんなクルマだ。
理屈ではなく、直感に訴えかけてくる。
初めて見た瞬間、僕は“これがクルマを愛するということか”と、少年の頃の気持ちを思い出した。

55台限定──希少性が生む“物語の濃度”

このクルマは、光岡自動車が創業55周年を迎えるにあたって生まれた記念碑的存在。
その証として55台だけ、世界に放たれた。

「限定」という言葉は、単なる数量制限ではない。
それは「物語に濃度を与える装置」だと僕は思っている。

出会える確率の低さが、所有する意味を深くする。
たった55人しか語れない物語──それが、M55の魅力だ。

ベースはホンダ・シビック──常識と非常識の融合点

ベースは、ホンダ・シビック。そう聞いて、「え?」と戸惑う人も多いかもしれない。
でも僕は、むしろこの選択に光岡らしさを感じる。

信頼性、剛性、乗りやすさ。日常で使える現実性。
その上に、まったく非常識なボディを“乗せる”。

常識と非常識。その二律背反を美しくまとめたクルマ──それが、M55だ。

グレード構成は以下の通り:

  • 1.5L VTECターボ(CVT/FF)
  • 2.0L e:HEV ハイブリッド(電動CVT/FF)

スペックに現れない“選ばれた理由”

なぜ、このフォルムなのか。なぜ、このタイミングなのか。
答えは、スペック表には載っていない。

これは「あの頃の自分にもう一度火をつける」ためのクルマだ。
僕たちが少年の頃に描いた、あの未来のカタチ。
“走ることで人生を語れる”──M55は、その感覚をもう一度取り戻させてくれる。

光岡M55の価格──高額に宿る“覚悟”の証

756万8000円〜842万7100円、その数字の奥に

「いくら?」
それが、このクルマに対する最初の反応になるのは仕方がない。
でも僕は、価格を見て戸惑う人にこそ、乗ってほしいと思っている。

この数字は、決して“速さの対価”ではない。
それは手間にかかった時間、職人の指先、そして光岡の“覚悟”そのものなのだ。

新車価格はこうだ:

  • 1.5L ガソリンモデル:¥7,568,000(税込)
  • 2.0L ハイブリッドモデル:¥8,427,100(税込)

目を細めてこの金額を見るとき、僕たちは同時に“自分の価値観”も見つめ直している。
この一台に、それだけ払えるか。──その問いが突きつけられているのだ。

「高い」ではなく「問われる」価格

価格とは、本来“値段”ではなく“覚悟”だと思う。
その金額を出すに足る情熱があるか、理由があるか

光岡M55は、僕たちにこう問いかけているように思える。
「君は、なぜクルマに乗るのか?」と。
燃費でも走行性能でもない、“理由”を持って選ぶ時代が、もう来ているのだ。

クラフトマンシップが積み上げた価値

M55のボディは、成型ラインから流れてくるようなものじゃない。
一台一台、金属を叩き、削り、整え、磨き上げる。

それは効率とは真逆にある世界。
でも、だからこそ魂が宿る。
これは“クルマ”ではなく、走れる芸術だと、僕は思う。

価格=入場料。体験する者だけが見える景色

M55の価格は、単なる「商品代」ではない。
それは、この物語の“入場料”だ。

ステアリングを握ったとき、自分が“選ばれた側”に立ったことを知る。
誰にでも開かれている道じゃない。でも、だからこそ、自分だけの景色が見えてくる。

なぜベース車はシビックなのか──光岡が描いた“日本流マッスル”の設計図

「チャレンジャーじゃないの?」という声に、静かに答える

はじめてM55を目にしたとき、胸がざわついた。
このワイドなフェンダー。丸目の4灯ライト。分厚いCピラーとリアの張り出し。
──これは、どう見ても“あの頃のアメ車”じゃないか、と。

SNSでも「チャレンジャーの逆輸入?」という声が飛び交った。
でも、それこそが光岡の計算であり、意図された錯覚だと思う。

「懐かしい」と感じさせたあとで、「でも違う」と気づかせる。
そのギャップにこそ、日本的な情緒と遊び心が詰まっている。

ベースはホンダ・シビック──日常に隠れたポテンシャル

答えを明かそう。M55のベース車は、現行型ホンダ・シビック(FL型)だ。

この選択は、決して妥協ではない。むしろ光岡らしい、逆説的な美学だと思う。

信頼性、整備性、日常性能。
一見“普通”の中に、M55の冒険は始まっている。

「毎日使えるマッスルカー」──それは矛盾しているようで、これからの時代に最も必要なコンセプトなのかもしれない。

性能と造形の交差点で生まれた選択

パワートレインは、1.5Lガソリンターボと2.0Lハイブリッド
どちらもCVTでFF。つまり、突き詰めたパフォーマンスではない。

でもその“引き算”の上に、デザインという非日常が乗っている。
日常を支える安心感に、日常を超える造形が融合する。
これは、無理に攻めないことで、存在そのものが尖っているクルマだ。

日本人が作るマッスルカーのかたち

M55は、アメリカ車のコピーじゃない。
むしろアメリカ的な価値観を、日本人が自分たちの感性で再解釈した一台だ。

たとえば、柔道とJUDOが違うように。
これは、日本でしか生まれ得なかった「和製マッスル」の答えのひとつ。
光岡は、このクルマを通して、“魂の輸入ではなく、精神の翻訳”をしてみせたのだ。

それでもM55を選ぶ理由──価格を超える“心の駆動力”

「高いけど欲しい」──その言葉の裏にある本音

人は、本当に心を動かされたとき、「欲しい理由」をうまく言語化できないものだ。
それでも口をついて出るのは、「……高いけど、欲しいな」の一言。

その言葉には、理屈ではなく、共鳴がある
M55に出会った人の多くが、まず“心の中のギアが入る瞬間”を体験する。
それは、スペックや維持費では決して説明できない、“心が走り出す感覚”なのだ。

【仮想取材】ディーラーが語る、試乗後の沈黙

「最初は“これ、ちょっと高いよね”という顔で来られるんです。
でも、試乗を終えて降りてきたときには、みなさんしばらく無言なんです。

感情が追いついていないんですよ。
心が動いているのに、それをどう処理していいか分からない。
“これ、人生で一度は乗ってみたいかも”──そんな言葉を、小さくつぶやく方が多いですね」

【仮想ユーザー】50代オーナーの告白

「20代のころ、チャレンジャーやマスタングに憧れてました。
でも現実は、家族、ローン、実用性……。結局ずっと“普通のクルマ”を選び続けてきた。

そんな僕が、このM55を見た瞬間──“少年の頃の自分”が、胸の奥で目を覚ましたんです。
価格? 高いですよ。正直、悩みました。でも、これはもう“投資”じゃない。
人生に語れる一章を加える決断だったんです」

中古市場の未来──55台という“ストーリー資産”

今のところ、中古市場にはM55の姿は見えない。
でも、たった55台しか存在しないという事実だけで、その価値は既に確立されている。

再販される見込みも薄い。となれば、手に入れた人は、“一生モノの相棒”としてこのクルマと生きていくことになるだろう。
それは単なる資産ではない。
時間とともに“深くなる価値”──それこそが、M55というクルマの真骨頂なのだ。

まとめ──ステアリングの先に、自分だけの物語が待っている

価格に込められた“物語の重さ”

756万8000円──その数字は、決して軽くない。
けれど、それは「高いか安いか」では測れない重みを持っている。

ベース車はホンダ・シビック。けれど、乗ればわかる。
これは単なるカスタムカーじゃない。
これは、思想と感情が走り出した“哲学の乗り物”だと、僕は感じた。

ステアリングを切る角度は、人生の選択に似ている

スピードだけを追い求める時代は、もう終わった。
これからのクルマ選びに必要なのは、「なぜこれに乗るのか」という明確な意志。

光岡M55は、そんな問いを投げかけてくる。
そしてその答えは、スペック表には書かれていない。

ステアリングを切る角度ひとつで、人生の景色は変わる。
その感覚を、もう一度信じてみたい。
──そう思わせてくれるクルマに、僕は久しぶりに出会った。


FAQ:よくある質問

Q:光岡M55の新車はもう購入できませんか?
A:はい。「1st Edition」は全国55台限定で、すでに完売しています。
今後は中古車市場での希少価値がより高まると予想されます。
Q:ホンダのディーラーで整備できますか?
A:基本的なエンジン・駆動系・足回りはシビックベースのため、ホンダ系ディーラーでの整備が可能です。
ただし外装パーツなどは光岡への直接対応が必要になる場合もあります。
Q:光岡車のリセールバリューはどうですか?
A:限定モデルは特にリセールバリューが高く維持されやすい傾向にあります。
M55もその希少性から、長期的に見て“資産性のあるクルマ”として評価されるでしょう。

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